完成 2024年4月12日 公開 2024年4月12日 最終更新 2024年4月12日 100万ドルの五稜星の軽口感想 - ざれんの小部屋


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~ 100万ドルの五稜星 ~



アニメ「名探偵コナン」こと、コナンくんの劇場版感想を簡単に載せている場所です。
普段の場では行数が膨らみすぎてしまう恐れがあるので、別個ページを作成しました。

☆注意事項☆
好き勝手に書いています。この場合の「軽口」とは、滑稽や面白い言葉の意でなくお喋りな様です。
これをご覧になって気分を害されましても責任は負えません。ネタバレも同様に。
苦情やご意見は掲示板までお願いします。その他雑談もどうぞ。






劇場版を観てきた。


ここまでコピペ。で、終わろうと思ったのだが……。「劇場版名探偵コナン」を観に行ったつもりが、「劇場版青山剛昌」を観ていたのだ! 高明の罠だ(笑)。


軽口感想


鑑賞前状況と状態

前作同様、サウンドトラックを買うことをやめたので、公開日間近に気分を上げる物が無い。近年は劇場版よりもテレビアニメに気持ちが傾いているので、これが余計に辛いところ。
前作以上に事前情報は入れておらず、公開された主題歌付きの本予告は1回しか見ていない(テレビアニメの最後に付く予告は数えない)。これは「緋色の弾丸」まで1日30回は必ず予告映像を見ていた人間からすると異常なことで、むしろ正常になったとも言えるが、ともかく気持ちが足りなくなったことは確かだ。そこで今年は、キッド、北海道、という言葉だけで「銀翼の奇術師」のサウンドトラックを聴きながら、公開前日に「まじっく快斗」を全巻読み返すことをした。
その結果「名探偵コナン」の気持ちは全くと言っていい程出来なかったのであった。オチ。


あらすじ

怪盗キッドが北海道にある6本の刀を盗むというので集まった、毛利家御一行。剣術大会が開催されており、そこには平次と和葉ちゃんだけでなく、沖田総司や鬼丸もいた。刀を盗み出したキッドを追い掛け切り付けた際、平次の目の前には工藤新一そっくりの顔が表れる。疑問を持つ平次はコナンくんへ尋ねるが、他人の空似、だと跳ね除ける。剣術大会では鋭い居合を見せる福城聖と和葉ちゃんが出会う。そこに平次の姿はなく、彼は和葉ちゃんへの告白スポットを探していた後、殺人が起きた現場で叩き起こされ発見される。刀を狙っているのはキッドだけでなく、如何にもな男カドクラ、演技派の男斧江財閥3代目当主の拓三がいた。舞台は広く北海道、それぞれが刀とそこから繋がるお宝への道標を求めた、欲望渦巻く大冒険の始まり。その最中、拓三を庇った中森警部は2か所の重症を負って緊急入院。コナンくんたちの前に姿を現したのは、中森警部の娘、中森青子なのだった!! 青子はコナンくんを見ると、幼馴染の昔の頃にそっくり、と言う。巫女の神子さんとの出会い、数々の変装を見せるキッド、そしてクライマックス目前は五稜星輝く五稜郭! 集まる探偵団と、YAIBA組、カドクラたちのYAKUZA組も(笑)。全てが揃いし時、道標が映し出される! セスナの上で繰り広げられる平次と聖の戦い。函館山で最高のクライマックスが待っている! お宝の正体は「暗号機」。戦時中に使われたそれは、現代では無価値の代物だった。暗号機が眠る場所には、初代怪盗キッドのカードが置かれており、快斗が求めていた謎も解けた。聖の父である福城良衛は嘆き、カドクラはボコボコになり、聖は蘭ちゃんにトドメを刺された(笑)。無論、平次と和葉ちゃんの恋模様はまだ続くのであった。全てが終わり、ひとつの真実が明らかになる。何気なく優作が発した兄弟の存在。偽物だった川添巡査部長がベールを脱ぎ捨て、黒の衣装と髭、そして池田秀一……。完。


本編感想

ごめんなさい(素)、無理です。あらすじが全然纏められません。言いたいこと書きたいことは山程あって、それこそ函館山のように今作の本編は100万ドルの価値ある山盛り具合だったのです。でも、言いたいことは伝わったでしょ(笑)?
私はまるで伏線のように、去年から今年、「コナンくんよりもYAIBAが好きで、YAIBAよりもまじっく快斗が好きで(以下略)」と事あるごとに自己紹介していた。正しく今作の劇場版が、全てである。先に書いた通り「まじっく快斗」の強い「名探偵コナン」を観に行ったと思えば、「劇場版青山剛昌」だったのだ。何かとややこしい、土方歳三(津田健次郎)の剣幕を持った鬼丸(津田健次郎)の前には初代鬼丸(堀川りょう)がいて、内心大盛り上がり(笑)。周囲のコナンくんファン皆々は、「まじっく快斗」の要素に感動を覚えつつも「名探偵コナン」を楽しんだことだろう。私は「YAIBA」も含めて3倍楽しんだと言い触らして回りたい(笑)。当然「まじっく快斗」を本気で愛している人間として、若干周知の事実でもあった工藤家と黒羽家の関係性が明確になったことは、本当に感慨深い。4巻だったか、青山先生が快斗と新一について仄めかしているページがあるのだ。そして何より、最新の青子が劇場版に登場。1月の総集編で姿は見つつも、真に今を生きる青子をスクリーンで観れらたこと、これは大いに感動的だ。青子が映った時、私はしっかりと涙を流した。2weekコンタクトでなければボロボロになっていたことだろう。青子の声は市道真央。東京ムービーに倣った白馬くんと違って、こちらはA-1版(まじっく快斗1412)に合わせてきた。私の中で一番合っていると思っている青子の声は2代目のみなみさんで、サンデーらしい気の強い女の子の声が出るのが理想である。市道真央はそういう意味では正解。そんな青子は出るのではないか、と言われ続けていたので覚悟していたところ、沖田と並ぶ鬼丸の姿に、鑑賞中の私の首が40度くらい上擦った。見えないじゃないか。極め付けは最後。10年越しにまたも池田秀一の声で、劇場が衝撃に包まれた。私は銃弾を喰らったように席にめり込んだ。しつこいようだが今まででなんとなく感じ取っていた上で、いざ真実を突き付けられると人はこうなる。15年程度、コナンよ早く終われ終われ、と思っている人間ではあるが、から紅辺りからだろうか、続いているから観られた夢を感じるようになってきている。老人の細やかな喜びだ。
さて、コナンくんの話をまるでしていない? その通り、私は日本史ではなく世界史専攻だったし、まるでミステリー側に付いていけなかったのだ(笑)。詰め込んだことにより目まぐるしく変わる場面、画面、テレビアニメでは考えられないスラスラとした会話の応酬。これは久し振りに、3回以上観に行く必要がある映画だと思った。私が一番多く行ったのは「ゼロの執行人」。やはりあの辺りから、夢に浸っているようだ。尚、去年は1回……(笑)。コナンと組織、という構図の限界は果てしなく面白かったが、それで満足してしまったのかどうだったのか……(笑)。
その他、もうさっさと2回目行った方が良いことを書けそうだが、こればっかりは書かねばならない。近年の詰め込んだ展開とキャラクターによって、探偵団がいよいよ押されてきている。出番が多過ぎるのも考え物だが、今作は少し寂しくなる扱いだった。彼らも十分に物分かりが良く、程良く活躍してくれた。未だにスワッチが考案してくれているクイズも短くなり、「名探偵コナン」が子供向けから離れていくのを感じる。今作の探偵団は哀ちゃんはじめ、服装がとても良かったのでもう少し見ていたかった。会いに行くに、やはりまた劇場へ足を運ぶべきだろう。



演出、作画等

永岡監督、大倉さん脚本。私の好きな「紺青の拳」から繋がる良い面子だ。「世紀末の魔術師」「迷宮の十字路」「銀翼の奇術師」「から紅の恋歌」「紺青の拳」、これらを感じる瞬間が幾つかあって、何だろう、良いな、って思ったのだ(笑)。
大倉さんは古くからのコナンくん読者で、から紅にて初の劇場脚本を観た際、昔に戻ったようなコメディチックなやり取りに感動した記憶が強い。以降、今作含めて4作、どれも好きな作品で嬉しい。
永岡監督は「紺青の拳」から、3作目。音楽に拘りを持つ監督で、近年では圧倒的なキャラへの理解度、作品への愛を画面から感じられる。つまりは、このふたりが組んだ際の劇場版が現状最強である。というのも、私が櫻井脚本を苦手としているからだろうか。
まずは色彩に触れたい。「業火の向日葵」から前作「黒鉄の魚影」まで担当していた中尾さんがテレビアニメに復帰。それによって劇場版は「瞳の中の暗殺者」から「漆黒の追跡者」まで担当した、西さんに戻った。どちらの方も綺麗で「名探偵コナン」らしい落ち着いた色味を出せる方々だ。テレビアニメがようやく色彩暗黒時代を抜けたことに感謝しながら、これからの劇場版も楽しんでいきたい。
作画は、所々怪しいと思った部分がある。タワーでの小五郎と蘭ちゃんは、激しい場面でもないのに突然のアクション的崩しの作画が残念。私はあの手の意図的な崩し方が苦手、というか怖い。その他では何処だったか、コナンくんたちの目に違和感を持った箇所があった。恐らくこれは、2度目以降の私が追記してくれることだろう(笑)。
キッドが何度もグライダーで飛ぶ描写があるが、あの開き方と反動に合って飛ぶまでの作画が、非常に滑らかで美しい。キッドファンとして拍手。偉そう(笑)?
幾度と描き直されたロンドンや、妖精の唇の描き直しにも注目。
青山原画は本当に、一時よりも分かりやすくなった。そして枚数が多いことも分かった(笑)。これはまた少年サンデーでの公開を待とう。アニメのデザインが勝手に大人びていく中、青山先生の描くキャラだけはいつまでも幼げで可愛らしい。



音楽

主題歌はaiko。珍しい、知っている人だ(笑)。しかしラヴコメとして想いを馳せれば、平次の告白の後に倉木麻衣の歌声が聴こえてくるのだ…………。あぁ、Beingよ。
サウンドトラックは今年も買わなかったが、私の予想に反して和楽器が多かったのが印象的。少し聴きたくもなってしまった(笑)。日本人だな(笑)。ここまで和が強くなると予想しておらず、100万ドルに相応しい煌びやかさが強調されるものだと思っていたのだ。
新「怪盗キッドのテーマ」だろうか? 雄大、優雅、といった言葉が似合う。ああいう楽曲は好みだ。
事前に「キミがいれば」が使用されないことが発表されていたが、エンディングクレジットには載っていた。永岡監督は紺青でインストゥルメンタルに近い楽曲(貴公子の拳)を使用したから、不要と感じたか?



劇場の様子

あれ、もう書いた(笑)? "周囲のコナンくんファン皆々は、「まじっく快斗」の要素に感動を覚えつつも「名探偵コナン」を楽しんだことだろう。極め付けは最後。10年越しにまたも池田秀一の声で、劇場が衝撃に包まれた。私は銃弾を喰らったように席にめり込んだ。"「100万ドルの五稜星の軽口感想 - ざれんの小部屋」本編感想より(笑)。
10年前のように悲鳴は無かったが、どよめきが起きたというのが正しい。終了後に「まじっく快斗」を思い出してはしゃぐ若人女子、銃弾を喰らったように動けなくなる男子諸君、終始穏やかな表情で微笑ましい老夫婦。実に平日金曜日の昼間らしい光景に、平和を感じざるを得ない。
お隣の方が始まる前、ずっと人形片手に写真撮影会をやっていたのがこれまた微笑ましかった。暗くて見えなかったが、誰を好きだったのだろうね。



余談

あまりにも詰まった内容なので、大急ぎでこうして書いているのだが、帰り道に買った干し芋を齧るだけではお腹が満たされない(笑)。空腹を満たすのは、沢山の感情だ。


おわり

総括。「劇場版青山剛昌」を観てきたと行った。2回目以降、今作は必ず行くだろう。次は「劇場版名探偵コナン」を楽しめるよう、気持ちを作っていくつもりだ。とにかく現状、このページは書き切れていない未完成だ。
平次と和葉ちゃんのラヴコメについては、概ね予想通りのオチ。いくら劇場へ多くのネタを提供する青山先生でも、ここだけは譲らないだろうと確信していたからだ。それにこれが片付くと、原作は枯渇してしまうのだ(苦笑)。平次には申し訳ないが、まだしばらく片側のラヴを大切にしよう。
前作が重苦しい空気を終始漂わせていた分、今作は「劇場版青山剛昌」を考えなくてもお祭り的に楽しむことが出来た作品である。軽快に、優しく、そして大袈裟に、アニメーション映画はそうあって欲しい。
音響監督の表記が「録音監督」に変更されると聞いていたのだが、オープニング、エンディングクレジット共にそのままだった。何だったのだろう? そして、音響効果の横山親子が最後にクレジット。本当に今までありがとうございました。
次回作はついに来た長野県警。原作のアニメ化が飛ばされたので、なんとなく予想はしていたが、見事的中。刑事モノで、恐らく櫻井脚本。また重いか、しかし楽しみだ……。